幽幻
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知人のおかげで、ずっと、『撮りたいな』と思っていた人を撮ることができた。
撮りたいと口に出したのはけっこう最近のことで、
そのときもまさか実現するとはほとんど思っていなかったのだが、
意外にもあっさりとその機会はやってきたのだった。
ただ、引退を控えている彼女を撮る唯一の機会だったし、
置屋にまでお邪魔して、おかあさんまで撮らせていただけるとのことで、
人物を撮る経験などない私にとっては=ものすごいプレッシャーでもあった。
チャンスは一度きり。ましてやフィルムである。
こんな時のためにもっと人物を撮っておけばよかったと思ったりもしたが、
もともと、撮りたいと思った人しか撮らないのだから仕方ない。
何人かの人に機材などのアドバイスを求めたりしながら、
カメラ、レンズ、フィルムが決まるまでは悩みに悩んで
それこそ誰かに代わってもらいたいと思うほどジレンマに陥った約1か月だった。
ようやくすべて決めてしまってからは、もうなるようになれという開き直りもあったが、
実際、その場になってみるとまず時間の余裕がほとんどなく、
思っていたことの1/10も実現できなかった気がする。
そのうえ、予定していた楽屋での撮影がなくなり、撮影数も半分くらいに。
保険で持っていたデジタルなど、ほとんど出番もないほどで、
最後の最後、現像が上がるまではちゃんと写っているか不安一色だった。
『とにかくたくさん撮って、1枚でもいい写真があれば成功』
という言葉を励みに、あとにも先にもないほど緊張した撮影だったが、
ポストカード、フォトブックなども無事に作ることができ、
関係者、本人にも喜んでもらえる仕上がりになったので本当に良かった。
よろしければ是非、サイトのほうでアルバムをご覧ください。
反省点は尽きないものの、本当にいい経験、そして記念になりました。
この機会を与えてくださった方々に心から感謝しています。
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アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。携帯サイトはこちら↓

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