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2月から3月にかけて、アーティストを撮る機会があった。
幼稚園~中学校まで一緒だった、今年でデビュー18年になる幼馴染み。
人物は撮らないの?とたまに訊かれる。
撮りたくないわけではないのだが、撮りたい人が思い浮かばない。
モデルの友達もいるし、言えば快く撮らせてもらえるのだけれど。
今回のお誘いは魅力的だったので、ぜひにと、逆にお願いさせてもらった。
撮影日数は、初日の試写を含めて3日間。5種類のフィルムを使った。
スナップ以外で人物写真を撮るのは初めてのことだし、
それが私の技術で銀塩となるとなかなかプレッシャーを感じる。
天気の影響もあって、彼の予定よりも時間を取ってしまって申し訳なかった。
撮影は、東京タワー、麻布十番、有栖川公園など、地元でというコンセプト。
最終日、私たちが卒業した小学校を通りかかったとき、ダメ元で訊いてみようか?
と意見が一致して、撮影させてもらえるか頼んでみた。
たまたま校長先生がいらしたのでお願いし、卒業者名簿まで確認してもらったのだが、
思った通り、商用目的での使用許可は出なかった。
私用目的なら、と、快く言ってくださったので、私が個人的に公開するには問題なく、
校庭で何枚か写真を撮った。私のテンションだいぶ上がっていたらしい。
あまり懐かしく思う学校ではなかったのに、いざそこに立ってみると、
自分では想像もしていなかった不思議な気持ちになった。
また、普段ほとんどひとりで撮り歩いている私にとっては、
同じ時間を過ごした友達と同じ時間を過ごした場所を見て、
あそこには何があったよね、あそこにはあれが生ってたよね、という、
ものすごく狭い範囲の記憶の共有がなんだか妙に楽しかった。
撮影の初日には、世界でたった1軒という万華鏡の専門店がある。
万華鏡専門店になる以前は昔館という飲食店で、深夜たまにお茶を飲んだり、
万華鏡専門店になっても最初のころは何度か買い物もしたが、
最近は専ら、通り掛かりにショーウィンドウをのぞいて楽しませてもらうだけになってしまった。
しかし、頼んでみるとこちらも快く店内での撮影の許可をいただいた。
KALEIDSCOPE 昔館
ほかにも彼のご両親がいる実家での撮影、私の家で犬に邪魔されたり、
同じく中学校の同級生であるだんなさんと久し振りに会って話が弾んだりと、
終始和やかで気を使わない撮影をさせてもらった。
私のサイトのアルバムには、CD、写真集では使わない写真の中から、
私が気に入っているものをピックアップして掲載した。
クロスで撮っているものは1本のみだが、フィルムそれぞれの色合いがかなり違うこともあって、
アルバムカテゴリは「ちぐはぐな色たち」とした。
青被りを期待していたプレシーザが緑になって意外だったが、
結果的にはそれで良かったと思う。
時間の関係でプレシーザのみ1本撮り切ることができず、残りは近所の公園で消化した。
なお、アルバムタイトルの「SPEED★STAR」は、私が好きな曲のタイトルが思い浮かんで借用したもの。
実際の曲のタイトルは「SPEED☆STAR」で、星の部分が白抜きになっている。
ちなみにこのCDのジャケットの人形は彼の手作り!子供の頃から絵のうまかった彼。さすがです。
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アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。
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