Lens test -継承-(37)
継承
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家の整理をしていた知人から、古いカメラとレンズを託された。
カメラはペンタックスのS2。着いているレンズはTakumar 2.0/55。
お祖父様のものだったらしく、調べてみるとレンズは一番古いタイプの2.0/55。
このシリーズにもアトムが存在するような記事も見つけたが、見たところ、
そして写りから判断する限り、うちにやってきたレンズは非アトムのようだ。
動物がたくさんいるため我が家でアトムレンズは厳禁なので
ひとまずほっとする。せっかくなのでレンズだけでも使いたい。
カメラの方は底の巻き戻しボタンが押し込まれたままになっている。
引っかかっているだけなのかわからないがシャッターも切れない。
さて、このカメラを治しても果たして活躍する機会があるのかどうか。
ほかに何台も点検に出したいカメラやレンズが控えている現状では、
露出メーターさえないこのカメラに割く余裕はどう考えても、ない。
とりあえずカメラは保留にして、手持ちのSPを久しぶりに引っ張り出し、
レンズを装着してみる。保護フィルターもなかったが前玉にはそれほど疵はない。
ただ、後玉が疵、カビだらけで、ちゃんと使うことになったら清掃は必須だが、
とりあえずそのままの状態で一度テスト撮影してみることにした。
ピント精度は悪くないようだが、ソフトな感じはやはり汚れのせいだろうか。
しかしこの優しい感じは全然悪くなく、またしてもこのまま使いたい誘惑に駆られる。
数枚、アンダーになった写真には明らかな汚れのシミが・・・。
画像半分が黒く写っているのは、OM-1と同じシャッター幕の症状にも思える。
相変わらずゆっくり撮りに歩く時間がないけどテストはしたいので、結局家の周辺や
食事がてら、買い出しの行き帰りの車内からの写真ばかりになってしまったけれど、
悪くない。それどころか最近テストした中では一番気に入る写りかもしれない。
おそらくこのレンズは、持ち主の方が亡くなってから使われていないものなので、
そうなると50年くらいはカメラごとケースに入ったまましまわれていたことになる。
中古で手に入れたカメラやレンズはみんなそうなのかもしれないが、
このテストの上がりを見ていると、なんとなく、その方の魂が宿っている気がしてくる。
ちゃんと使いたいので点検・清掃に出さなくてはと思うのだが、
清掃したら写りが全然変わってしまうかも・・・と考えると躊躇してしまう。
もう一、二度、テストしてみてから考えようかな・・・。
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