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2013年3月の投稿

2013/03/31

-Petals-(22)

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わたしの春紫苑

 

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この日前日からの雨が残ることは、予報からも、空の色からも間違いなかった。

ただ、曇りの空の色から見て、午後から晴れてもおかしくないと思っていた。

それでも夕方ごろからだろうと踏んで、ほとんど出かけるつもりはなかった。

それが午後に入ると、晴れた?と思うぐらいの明るい空に。

とはいえ気温は冬で、風もあって寒かったのでしばらく迷っていた。

結局、晴れこそしないもののかなり明るく、また降り直すこともなさそうなので、

久しぶりの雨上がりを撮りたかったこともあって、15時からスタート。

 

もうひとつ、というか出かける決心をした大きな要因が、フィルム。

期限ギリギリで入手してからも、ずっと常温で放置していたISO400。

使うつもりもほとんどないほど諦めていたのだが、前日ふと、どうせなら、

ダメだという前提でもいいからできるだけ早く使ってみようと思い立った。

コニカミノルタのJX。

これのISO100は、(ある意味特殊な)アグフア以外では、一番好きなフィルム。

しかしこのフィルムを知った5年前には、すでに生産終了してしまっていた。

その後オークションで何本か入手したあとほとんど見かけず現在に至っている。

 

JXの400は使ったことがなく、400一般を使う機会も少ないので、

なんとなくそのまま出しっぱなしにして、気がつけば長期放置・・・

という、黄金ともいえそうないつものパターン。

最近またJX100が使いたい熱が再燃していたせいもあってか、

400のこのフィルムを劣化覚悟で使ってみることを思いついたのだ。

雨上がりの明るい曇天、天気も時間もうってつけな気がした。

 

時間帯だけではなく24枚撮りなので、コースはショート。

桜田通り~我善坊~永坂~十番で現像という予定で家を出る。

カメラは明るくも、フィルターを使えば暗くも使えるf0.95のキヤノン7。

露出メーターはASA100までしか対応していないので少し面倒だが、

どちらにしてもTTLではないので露出は勘も含め状況に応じて決める。

そう考えれば感度など関係ないも同然なのだけど・・・。

 

 

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スキャンのプレビューではちゃんと写っているように見えてまず一安心。

撮っている間は、まったく写っていないかもしれない可能性もあるので、

撮りたいものが多いほど不安も増すというスリル満点の散歩だった。

なぜそこまで劣化を怖がるかというと、普段使うマイナーフィルムや、

ビスタでも400となると、期限内でも常温だと変化してまうことがある。

ましてや常温放置で5年以上となると、ビスタ400では、

半分ぐらい飛んだ写真を意図的に撮る以外、まったく期待できない。

こうしてJXを見ると、今はないとはいえ、さすが国産ブランドだと思う。

 

ただ、400を使うのが初めてなうえ雨交じりの曇りでなんともいえないが、

見た限り、まったく変質していないわけではないと思う。

しかし壁の緑の発色は素晴らしい。

ペンキの緑がこんなにきれいに再現できるフィルムは、

使った限りではほかに思いつかない(デジタルは論外)。

 

02

 

気をつけて撮っても、下の写真のように水平が大きく傾いてしまうのは、

レンズの大きさでブライトフレームファインダーが1/3ほど欠けてしまうせい。

つまり、常に右下側のファインダーの角が見えない状態で撮っている。

縦位置は縦位置で、横でピントを合わせてから縦にして撮るしかない。

それでここまでピントがきてくれるのは、やはりこの0.95は当たりなのだと思う。

 

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ファインダーはこんな感じ。

 

Finder

 


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2013/03/27

路地裏の春(33)

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オステオスペルマム

 

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この日は撮りに行こうと決めていたので、早めに起きて準備。

久しぶりに光が撮りたくて、前日ついた晴れマークに期待をかけていたけれど、

それ以前の予報どおりの曇天、そしてまたポツリとくる中、予定時間に出動。

最近はいろいろ考えたこともあり、降るなら降ればいいや、

と思って出かけるので逆に気が楽な面もある。

ただこの日は本当に寒くて、前日までの16度とか20度超えが嘘のような冬の気温。

寒いのは好きなのだが、真冬の服装をしているわけでもなく、

風も冷たくてさすがに長時間や、雨に降られたら体調を崩しかねない。

そんな状況だったので、頭の中で予定していた西麻布~青山コースを捨て、

様子を見ながら家のごくごく近所(東麻布)を撮って回るプランに変更。

 

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2013/03/25

三月櫻(29)

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三月櫻

 

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桜吹雪の中の卒業式というイメージがあるが、

実際には東京の桜の満開はだいたい3月終わりごろから4月上旬にかけてだ。

今年は例年より10日も早く、しかも咲き始めからあまり気温が上がらないので、

見ごろの期間の長さも異例らしい。

仕事の休みが土日だった以前は本当にタイミングに泣かされたが、

週休4日の今となっては満開の曜日はほとんど関係なく、

天気だけが関心事である。

 

毎年書いていると思うけれど、本当に桜を撮るのは苦手で、

といって撮らずに見過ごす勇気もなく、結局毎年、悪あがきで撮っている。

それで毎年違うことをしているのだが、今年はフィルムやレンズに頼らず、

シンプルに、桜の良さをできるだけ表現できるように撮ろうと思っていた。

イメージは晴れの桜だった。

それがこの天気。満開になってからの東京は曇りが多い。

 

土日は日中晴れ間が出たりもしていたが、撮るなら平日と思っていたので

週末は見送り、月曜日の早朝にターゲットを絞っていた。

残念なことに出かけたときから雨がポツリと落ちているような天気だったが、

空の色は悪くなかったので、降るなら降ったでいいや、と心を決めて出発。

 

今年も地元の桜、子供のころの遊び場だった小さな児童公園と、

当時の家の斜め前だったお寺にある、けっこう古く立派な桜を狙っていた。

この児童公園も、おそらくそのお寺の敷地だと思う。

物心ついてからはじめて認識した桜は、このお寺と公園のものだった。

 

月曜日の早朝だけあって、さすがにどこに行っても人の姿はほとんどない。

今までで一番、落ち着いて桜を撮ることができた日かもしれない。

まだ時々ポツリと雨粒が落ちてくるほどの曇天も、風が吹くと

(桜吹雪まではいかないものの)落ちる花びらや花も独り占めで気持ちいい。

ゆっくり、本当にゆっくり桜を楽しみながらの散歩だった。

帰りに寄った、古川沿いの新広尾公園の桜もきれいだった。

 

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ずっと昔、夢で見て忘れられない光景があるのだけれど、つい先日、

その話をはじめてネットでしたら、その1/1000スケール的なものに出会った。

 

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2013/03/23

Monochrome Dream -櫻-(29)

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孵らない卵の巣

 

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ある日、車で通りかかった一瞬、大きな木に、大きな巣があるのが見えた。

それがどうしても気になって頭から離れず、後日、撮りに行った。

 

そこは元々、都の職員宿舎か何かがあった土地だが今は取り壊され、

更地になり、周囲にはガードがめぐらされている。

とするとこの木たちも、また伐られてしまうのだろうか。

木があまりに大きいことと、まだ伐られていないということは、

このまま残される可能性もあるのではと、一縷の望みもあるのだが、

あまり大きく期待はしないでおこう。

 

下の写真で見ると、周囲のほかの木との比較で大きさが分かりやすい。

巣があるのは、右の大きい方の木の、向かって左上のあたり。

 

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B25

 

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フィルム撮り始めは、とても気に入っているカフェだった。

行くときはカメラを持っているので、お客さんがいない隙に撮らせてもらう。

西日もきれいだということなので、次は夕方を狙っているのだが、

今回はたまたまモノクロを持っていたのでそれはそれでタイミングが良かった。

 

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レーベルカフェ

 

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最後に夜桜。

苦手な桜は、毎年、自分にしては珍しく撮り方を色々考えるのだが、

好きな感じに撮れることは本当に少ない。

それでも桜が咲くと撮りたくなるし、撮る気がなくても外に出れば、

嫌でも撮らざるを得なくなる。

 

「三脚を使えば使っただけのことはある」とは重々わかっていても、

基本がめんどくさがりでがさつなので、まず使うまでに至らない。

普段は家の窓から月を撮るとき、しかも今では稀にしか出番はないのだが、

今年は少し真剣に、夜に三脚を持ち出してみた。

結果として、好きな写真が撮れたのでその甲斐は充分にあった。

やはり、三脚を使えば使っただけのことはあるのだ。

 

場所は目黒本町の児童公園。新居の裏になる。

児童公園とは思えないほど立派な桜が10本ほどもあり、

来年はここで毎日でも桜が撮れるのも待ち遠しい。

 

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2013/03/17

路地裏の花たち(30)

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サキシフラガ

 

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いつも色々な花を撮ることが多いですが、その分、

名前が分からなくて悔しい思いをすることも多いです。

この花も全然知らずに撮ったものなのだけど、

スキャンした直後に偶然ネットで見かけて名前を知った。

聞いたこともない、そして覚えづらい名前。

最近の品種はそんな名前のものが多いような気がする。

 

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さて、このウルトラ、最近オークションで落札したもの。

期限内に自分で購入してそのまま冷蔵してある在庫も減り、焦り始めてのこと。

一時期ほとんど出品が途絶えていたウルトラも、最近はちょくちょく見かけるが、

やはり常温(冷暗所との表記)のものが多く、冷蔵は値が上がりがち。

予算に少し余裕があるときに探すと、出ていたのは「8本まで可」とある冷蔵と、

今回使った冷凍10本セットだけだった。はじめは冷蔵に入札していたのに、

意図的かは不明だが、分かりにくい表記のため通常の倍以上に値は上がるわ、

8本全部買いたいのに、1本ずつ売れてまた出品・・・の繰り返し。

その間にこの冷凍品が出てきてしまったので迷った挙句、こちらを落札。

しかもその冷蔵品との相乗効果で、普段よりもかなりの割高になってしまった。

 

常温品ほどではないが、今まで冷凍品は避けていた。

理論では、フィルムは冷凍保管で品質が保たれるというが、

あくまでもきちんとした管理下でのこと。家庭の冷蔵庫の冷凍室で、

ジップロック程度の密封で何年も保管したものなど信用できない。

この写真も、どう補正してもまともな色が出なかった最悪の例。

 

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ずっと以前に、期限内のもので冷凍保管していたウルトラの画像を見たことがあるのだが、

今回スキャンしてみて、まさにそのときのイメージが蘇ってきた。

青は濃く鮮やかになるが、全体に黒が被ったように強く、重くなる気がする。

(あくまでも私の印象ですのでご了承ください)

とにかく、目が覚めるようなウルトラの鮮やかさ、

独特な粒子のやわらかさがまったく発揮されないのだ。

そう、ビスタ200をただ濃くした感じとでもいうのだろうか・・・。

例の、ペンキで塗ったようなと表現される大胆なビビッドさが、

カラーの油性マジックの、安っぽい発色になってしまっている。

ただしこれはスキャン画像のみの感想で、インデックスしか見ていないが、

プリントすればそれほど問題ないのかもしれない。

そうだとしたら、いつもプリントスキャンするバラには使えるが、

ぶっつけ本番はやはり無謀だろうか・・・。

 

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この日歩いたのは、三田~仙台坂を上って南麻布(有栖川公園)、白金。

古川沿いに沈丁花が垣根のように咲いていたが、

今年の沈丁花は例年よりだいぶ早かったせいなのか?

香りが褪せてしまって全然香らなかったと思う。

普段、沈丁花は撮らないのだが、珍しい数についシャッターを切った。

 

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こうして何年か撮り続けていると自然と年毎の花の違いにも気づくようになる。

ハナニラが小さく、花びらも貧弱な年があったり、

ハルジオンがやたら大きく、ピンクが多い年があったり、

バラがいやに大きく咲く年があったり。

特に震災後のこの2年は、そんな変化が大きく感じて、それが

有害物質のせいなのか、などと疑ってしまうのも仕方のないところだろう。

 

そんな有害物質がいかにも入っていそうな、あやしいペットボトルを発見。

触れたくもないと思うと同時に、やはりきれいだなと思ってしまう風景。

 

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2013/03/02

通い慣れた道(31)

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ひとりぼっちの木馬

 

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スキャンのプレビューで、やっぱり違うのである。

かといってプレビューは良かったのにスキャン画像はイマイチ、というものも少なくない。

そもそも小さければ小さいほどピントは立つし粗は目立たないのだし。

それでも7の画像は、スキャンしてもその落差がとても少ない。

まだ、撮る度に、現像に出してスキャンするたびに、

ちゃんと写っていなかったらどうしよう、という不安はいつもどこかにある。

しかしそれも程度の差こそあれ、7に限らず、どのカメラで撮っても同じだ。

フィルムで撮ることならではとも言えるし、それだけ自分の技術に自信もない。

 

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このレンズの画は、とてもやわらかい。

ぐるぐるのボケはもちろん魅力的なのだけれど、

DoFを少し出たあたりの描写がなんともいえない繊細さで、大好きだ。

 

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この日歩いたのは、東麻布と麻布十番4丁目の裏にあたる、三田小山台。

多分、一番たくさんの写真を撮っている地域で間違いないだろう。

この通い慣れた道を気軽に歩けるのも、今年いっぱい。

来年にはわたしはここからいなくなる。

 

この日最後に、ずっと気になっていたカフェに立ち寄った。

想像以上に居心地の良い場所で、1枚残っていたフィルムで店内を撮らせてもらった。

 

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レーベルカフェ

 

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