-Petals-(22)
わたしの春紫苑
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この日前日からの雨が残ることは、予報からも、空の色からも間違いなかった。
ただ、曇りの空の色から見て、午後から晴れてもおかしくないと思っていた。
それでも夕方ごろからだろうと踏んで、ほとんど出かけるつもりはなかった。
それが午後に入ると、晴れた?と思うぐらいの明るい空に。
とはいえ気温は冬で、風もあって寒かったのでしばらく迷っていた。
結局、晴れこそしないもののかなり明るく、また降り直すこともなさそうなので、
久しぶりの雨上がりを撮りたかったこともあって、15時からスタート。
もうひとつ、というか出かける決心をした大きな要因が、フィルム。
期限ギリギリで入手してからも、ずっと常温で放置していたISO400。
使うつもりもほとんどないほど諦めていたのだが、前日ふと、どうせなら、
ダメだという前提でもいいからできるだけ早く使ってみようと思い立った。
コニカミノルタのJX。
これのISO100は、(ある意味特殊な)アグフア以外では、一番好きなフィルム。
しかしこのフィルムを知った5年前には、すでに生産終了してしまっていた。
その後オークションで何本か入手したあとほとんど見かけず現在に至っている。
JXの400は使ったことがなく、400一般を使う機会も少ないので、
なんとなくそのまま出しっぱなしにして、気がつけば長期放置・・・
という、黄金ともいえそうないつものパターン。
最近またJX100が使いたい熱が再燃していたせいもあってか、
400のこのフィルムを劣化覚悟で使ってみることを思いついたのだ。
雨上がりの明るい曇天、天気も時間もうってつけな気がした。
時間帯だけではなく24枚撮りなので、コースはショート。
桜田通り~我善坊~永坂~十番で現像という予定で家を出る。
カメラは明るくも、フィルターを使えば暗くも使えるf0.95のキヤノン7。
露出メーターはASA100までしか対応していないので少し面倒だが、
どちらにしてもTTLではないので露出は勘も含め状況に応じて決める。
そう考えれば感度など関係ないも同然なのだけど・・・。
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スキャンのプレビューではちゃんと写っているように見えてまず一安心。
撮っている間は、まったく写っていないかもしれない可能性もあるので、
撮りたいものが多いほど不安も増すというスリル満点の散歩だった。
なぜそこまで劣化を怖がるかというと、普段使うマイナーフィルムや、
ビスタでも400となると、期限内でも常温だと変化してまうことがある。
ましてや常温放置で5年以上となると、ビスタ400では、
半分ぐらい飛んだ写真を意図的に撮る以外、まったく期待できない。
こうしてJXを見ると、今はないとはいえ、さすが国産ブランドだと思う。
ただ、400を使うのが初めてなうえ雨交じりの曇りでなんともいえないが、
見た限り、まったく変質していないわけではないと思う。
しかし壁の緑の発色は素晴らしい。
ペンキの緑がこんなにきれいに再現できるフィルムは、
使った限りではほかに思いつかない(デジタルは論外)。
気をつけて撮っても、下の写真のように水平が大きく傾いてしまうのは、
レンズの大きさでブライトフレームファインダーが1/3ほど欠けてしまうせい。
つまり、常に右下側のファインダーの角が見えない状態で撮っている。
縦位置は縦位置で、横でピントを合わせてから縦にして撮るしかない。
それでここまでピントがきてくれるのは、やはりこの0.95は当たりなのだと思う。
ファインダーはこんな感じ。
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