さよなら楽園(32)
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ニコンを使うようになったのがこの1年くらいなのでレンズもまったく知識はない。
明るいレンズが欲しくて、50mmよりリーズナブルだったのでとりあえず55mmにした。
今回は特にライブ撮影という目的のための購入だったので、
5mmでも長いほうが有利だったことも決め手だった。
ただ、この1.2/55には6タイプのモデルチェンジがあり、年代でだいぶ違う。
(6つのタイプについてはこちらのブログが詳しいです)
Nikkor S・C Auto 55mm f1.2。
元箱付で程度も悪くなさそうなのにそこそこ安いものをオークションで落札したのだが、
届いてみると想像以上に程度が良くて驚いた。ほとんど使った形跡さえない。
私が買ったものは72年~74年にかけて製造されたタイプ4、
初期型ではあるがタイプ3との大きな違いはマルチコートになったこと、
組み立て方法が変更されたことらしい。
非AiマウントなのでSLRには使えないが、改造は可能である。
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この日のコースは麻布台、六本木。
ニッコールの1.2/55で撮った写真がまだアップされていないことに気づき、
撮りに行ったはいいれど、カメラの方に慣れないおかげで巻き戻しミス、
まさかの感光・・・というハプニングも、またしても感光具合が気に入るという・・・。
この日目指していたのは、鳥居坂~芋洗坂にかけての裏路地。
ただそこに行く途中麻布台を通ったときに、好きだった空き地、
六本木という土地にしてはかなりの広さの空き地が
とうとうなくなってしまったのを見て大きなショックを受けていた。
そこは、私の中では楽園のような場所だった。
私にとっての楽園は、人の気配もなく、
捨てられたものたちと、人に見られることもないまま芽生え、
茂り、咲き、実り、落ちて朽ちてゆく植物たちが、
止まったままの時間の中でまどろむように佇む場所。
そんな楽園が、またひとつ消えていった。
さようなら、私の楽園。
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