Way We Were -追憶の町-(30)
APX 100 -菩提寺-
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そんなわけで(前記事参照)、久し振りにAPX100で撮ってみた。
うーん、間違いなくこの濃さ(一部フィルター使用)、艶、滑らかさはAPX!
写りはむしろ低感度だけあって当然と言えば当然だが400より滑らか。
感度が欲しいときのAPXは諦めるしかないが、写りなら100でまったく問題なし。
ひとまずほっとする。
とはいえここにきての立て続けのフィルム生産中止。
少しショックが大きすぎてあまり言及したくもないけれど、
この先どうなってしまうのかたまらなく不安。
デジタルで撮って楽しめる、
デジタルでいい写真が撮れる、
デジタルに気持ちを込める、
デジタル画像の色を好きになれる、
すべての自信がないので、フィルムが本格的に使えなくなったら写真やめるかな。
完全になくなることはまだ当分ないだろうけど、入手にしろ現像にしろ、
すべてが高額で今のようにどこでもできるというわけにはいかなくなりそう。
心が痛いです。
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心が痛むといえば、この日、信じられない光景を目撃してしまいました。
SNSに書いた日記から抜粋。
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何年も前から、一度撮りたいと思っていた場所があった。
もう10年近く経つかもしれない。
車で通りかかって、一瞬見えただけの小さな駅。
ネットで調べてみると、やはり撮影などでよく使われるような場所だった。
その事実で少し冷めたせいもあって、気になりながらも結局今まで行かずにいた。
この間ふと思い立って、やっとその駅に行ってきた。
取り残されたような古い駅。
そこで見たものは戦慄ともいえる光景だった。
高架下に改札、その向かいに小さな焼き鳥屋。
そのガード下には何軒かの店が並んでいるが、今も営業しているのはその店のみ。
パーキングに車を停めて駅に向かう横断歩道を渡ると、
その焼き鳥屋のドアの前に押し寄せるように人だかりがしているのが見えた。
最初に思ったのは、映画の撮影でもしているのかな、だった。
だとしたらまたタイミングの悪い時にきてしまったものだ。
しかしそこにいる集団を見ると、見るからに高価なデジイチを首から提げた高齢者、
どう見ても70~80代の男女だった。
では撮影は撮影でも、店を借りての撮影会でもしているか、
そもそもそこはもう撮影用に開放されている場所になっているのか…
と、とにかくその状況では自分が撮るのは不可能なので、
その集団がずっとそこにいるのかどうかの方が気がかりで、
ぼんやり考えながらとりあえず周囲を歩いてみようとそこを通り過ぎたとき、
ガード下中に聞こえるほどの大きな声が響いた。
「勝手に撮らないでください!!営業中です!」
「撮るのは構いませんが断ってからにしてください!」
「お客様にも迷惑になるので勝手に撮らないでください!!」
え?
通り過ぎざまに見ると、群がった老人の一団が店にレンズを向けている。
古いガラス格子の引き戸のまん前にいる老人は、
あろうことかそのドアをあけ、暖簾の下から店内にレンズを突っ込んで撮っている。
店の人だと思っていたさっきの声は、 若い添乗員のような人が発していたらしい。
店内ではカメラを向けられている女性客が苦笑いしていたらしい。
私は、怖くて見られなかった。
その場から離れても、見た光景が怖くて怖くて頭から離れない。
あの、レンズを突っ込んで撮っていた老人の無表情さ。
注意されているのにまったく無視して撮り続ける神経。
楽しそうでもなく。
恥ずかしそうでもなく。
ただただ無表情に、熱意の欠片もなく。
言葉も通じず、感情もない。
カメラを構えるその姿はまるで精神異常かゾンビのようで。
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ほんとに怖かったなぁ。
ここ最近では一番の恐怖体験でした。
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