路地裏の夢/追悼(24)
久し振りに、1本のフィルムを消化した日。
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この日のルートは、自宅から中の橋を抜けて小山町に入り、
二の橋から仙台坂を上がって有栖川公園、元麻布を回って帰るという超定番コース。
今思えばブランクがあったので潜在的にそういうコースになったのだろう。
さて、晴れてはいるものの天気はイマイチ。
何より、この5年で何度となく撮った、子供の頃の思い出の建物がなくなっていた、
それも違う場所で、複数が取り壊されていたのを知ってかなり衝撃を受けた。
これは5年前(2007年)の風景。この時点で左側の木造3軒と、一番手前のマンションだけは、
40年前と全く変わらぬ風景だった。
今はそのすべてが取り壊されてしまった。
下は、ほぼ同じ場所を、同じく2007年に反対側から写したもの。
こちらは木造の真ん中の1軒を、2005年に写したもの。
40年前から変わらない仕立て屋さんだった。
また、違う場所でも、建物だけでなく区の保護樹木さえがあっさり伐られてなくなっていた。
そのショックは自分の中ではけっこう根深く、ここでも、よそでも、
4ヵ月経った今になってやっと書く気になったこと自体がそれを表している。
「再開発」は果たして進化ですか?
変化であることに違いはないけれど、私には退化としか思えない。
作った人、建てた人、植えた人、住んだ人…
そんな人たちの想いがこもる町はもうなくなっていくだけで、
それぞれの町はただどこにでもある街に取って代わろうとしている。
この日の撮影以降、ますますそんな光景を目の当たりにして、
今、本当に空恐ろしい気がしている。
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アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。
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