M(29)
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このアルバムは、翌年の「だれもいない」用にと思っていたカメラとフィルム。
暮れに母の墓参りに行くことになっていたので、あまり枚数を必要としないだろうと、
この日に撮り始め、正月に持ち越そうと思って同じカメラで撮ることにした。
結果として、墓参りの日は曇っていたのだが写真にはいい曇り方で、
しかも富士山は見たこともないほど見事に、すっぽりと冠雪。
カラーを入れてきた方が良かったと、道中ずっと後悔する羽目になった。
ただし、出来上がった写真には光がとても綺麗に写っていたので、
これはこれで良かったかもしれないと思い直したが。
問題は、こちらである。
中野正貴さんの「TOKYO NOBODY」のパロディで始めた、「ほぼ だれもいない」。
(2008年のだれもいないはこちら/2009年のだれもいないはこちら)
今年は元日の早朝、どうせならこのまま行ってみようと、急遽、寝ないで出動。
早い時間の方がいいだろう、と思っていたのが多分最初の想定外。
昔と違って三ヶ日でも人が多いというのは分かっていたのだが…。
新居が東京タワーに近いせいもあるのだろうか、「え?」…ってほど、人がいた。
車もガンガン走っている。平日並みに走っている。
まったく、誰もいなくなる気配なし。
確かに、麻布十番にいたときから、いつも元日は人が多かった気はしていた。
この前日、大晦日の深夜前後も、タワーに向かって走る人たちが結構いたし、
赤羽橋の交差点周辺も、タワー目当ての車が列を成して停まっていた。
大晦日から来てた人たちが朝帰りっていうパターンなのだろう。
だから去年、一昨年は2日や3日をメインに撮ってたのだ。
今年も我慢して、そうしておけばよかった。そして、翌日も人は減るのか不安である。
それだけではない。
寒い。
いや、冷たい。
例年なら1ヶ所で30~40分までは待って撮ることがあるのだが、
とてもそんなことは無理なほど寒すぎる。
手袋をしている指先が、そしてつま先が、痛くてもう耐えられない。
…結局20分ぐらいでギブアップ。この企画初めての挫折。
翌日。
午前中の比較的遅い時間、増上寺に初詣を兼ねて道を撮ろうと出動。
しかしこれがまた、人が多いどころかツアーのような団体さんまでいるではないか。
この日は日差しが暑いほどだったが、前日の無理で風邪も引いてしまったし、
もう今年の「だれもいない」は完全に諦めモードになった。
増上寺で撮った数枚でもまだ終わらず、芝公園と自宅でフィルムを消化。
おそらく、元日に誰もいなくなるのは午前10時前後。そして2日3日こそ早朝なのだろう。
ぜひとも来年、2011年には活かしたい、苦い教訓を得た新年だった。
そして、久々に使ったアグフアのモノクロ。
今回はサイト作成のため、短期間で過去の写真を見返すいい機会にもなったが、
やはり自分はこのフィルムが好きだな、と再認識した。
友人のカメラ設計士がこのサイトを見て、カラーもモノも、アグフアは設計士泣かせだった…
と言っているほど、アグフアは特殊なフィルムで、だからこそこれにこだわる人もいるのだろう。
このフィルムがまた製造終了になることがありませんように。
そしてできれば、ウルトラも復刻してくれますように…。
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アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。
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