イツマデ(19)
死者の躯(むくろ)、野に見置かれしこと繁し時世(ときよ)に、
頭は人、尾は蛇、足手は虎の如く、
身の丈一丈六尺を超す化鳥(けてふ)、いづこより現る。
此の鳥天(あまつ)より舞ひ降り、死者の傍らに止まりて啼く音(ね)の、
「イツマデ、イツマデ」と澄み昇りける。
其は人の躯の打ち棄つらるるを託(かこ)つものなれど、
怖れ惑ひ、騒立つ民を鎮めむと 公卿の命にて鏑矢に討たれ息絶ゆ。
人の思ひの奥無(おうな)しこと、然(さても)拙し。
※鵺とも言われる怪鳥「イツマデ」をモチーフにしていますが、文章は創作です。
*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*
この日のルートは、麻布十番のパティオから大黒坂、一本松坂を上がり、
仙台坂上の裏通りを回って元麻布から戻るコース。
後半の数枚はその日の午後に出かけた代々木で撮ったもの。
壁の落書きが印象的で、「イツマデ」を思い起こさせ、
ついついなんちゃって古文を書いてしまいました。
*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*---*
アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント