ありふれた情景 1、2(53)
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1月26日~2月16日までのモノクロ写真。
枚数が多いので、メインサイトでは麻布周辺の1と、
職場と浜松町、有楽町で撮った2に分けた。
以前住んでいたマンションの隣に高層マンションが建ったとき、
すでに駅前なのにそのマンションからも駅直通にするとかで、
地下にも出入り口を作った工事は、丸2年かかった。
おかげで、2階に住んで、工事現場に面した窓辺が枕元だった私は、
ほとんどノイローゼと言っても言い過ぎではない状態だった。
起きている間は、テレビを最大音量にしても聞こえないほどの騒音。
寝るときは耳栓をするのだが、それも気休め程度にしかならなかった。
マンションが完成したあとも、それが建つ前とは比べ物にならないほど
外がうるさくなって、結局耳栓をして眠る習慣は残ってしまった。
ある時、耳栓をしたまま窓から外を眺めていて気づいたことがある。
聞こえてくる騒音が少ないと、眺めている町が、なぜか昔の風景に感じられるのだ。
不思議に思って考えた結論は、昔のほうが、今より騒音が少なかったということ。
町の中にいると慣らされてしまって気づかないが、
きっと渾然一体となった音が絶えず耳から入ってくるのだろう。
そしてその音は、確実に昔より増えているはずだ。
モノクロで撮ると、どんな風景でも昔の写真に見える気がする。
それも似たようなことなのかもしれない。
きっと昔より今のほうが、目に入る色が圧倒的に多いのだ。
だからモノクロだと、見慣れた現在の風景も、
どこか懐かしい感じがするのではないだろうか。
特に有楽町のこの場所は、昔の面影そのままなのでなおさらだ。
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アルバムはメインサイト路地裏の花たちにて。
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