『毒入りチョコレート事件』
このところ古めのミステリを続けて読んだ中でも一番古いものだが、
むしろ古さが気にならなかったといえるだろう。
内容的には数人の会員がある謎に対する推理を順に披露しあい、
それぞれ納得したり異を唱えたりしつつ真の正解へたどり着く、というもの。
これは実は、私のお気に入りの『黒後家蜘蛛の会』の手法と同じである。
こちらは短篇であるし、なんといっても『毒入り-』の50年ほどあとに書かれたものだから、本書がその古典としてのルーツになっていることは間違いないだろう。
とはいえセリフや文体、人物描写などに物足りなさを感じてしまったのも事実。
本題とは逸れるが、あとは古典の致命傷ともいえる翻訳に難が。
ほかと比較するとそれほどひどくはなかったものの、
やはりこれはちょっと・・・という部分が数ヶ所あった。
『〜だろうようなこと』という表現は当時の訳としては一般的だったのだろうか?
ほかの訳者の文でもよく使われているのだが、
『〜だと思われるようなこと』ではいけないのか、腑に落ちない。
本書で一番気になってしまったのは、『紹介してくれられる』という記述。
単純に、『紹介してもらえる』でいいと思うのだが・・・。
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