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2004.10.07

『白夜行』

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★★★★

白夜行/東野圭吾

世間では非常に、といっていいほど評価の高い作品かつ、
つまらなかったわけでは決してないので気が引けるが・・・星は4つ。

ではなぜなのか。
その理由を説明(言い訳)しようと試みてみる。

最も大きい理由としては、巻末の解説でも触れられているように、
この小説の主役といえる2人の男女の内面を表す記述が、
作中ただの一小節、一文、、、どころか1語としてないのである。

19年にもわたる長きを描いた854ページにも及ぶ全編の中で、
2人についてはただひたすら客観的に、常に第三者の目を通して語られるのみである。
それどころか『何か』が起こったことについても、実際のその場面は一切描かれず、
振り返ってみると、結局はすべてが憶測の範疇を出ずに結末に至る。

その手法からいえば驚くほど2人の境遇、心情を描けているとは思うのだが、
正直に言えば、やはり感情移入しきれない部分があった。
私個人の見解では、この2人の主人公のように他人(ものや動物も含めて)
に、あらゆる意味での『情』を全くといっていいほど感じない人間はまずいないと思う。
生まれながらにそういった感情が欠落している人間がいるというのも事実だが、
物語の内容的には先天的ではなく、後天的なものとして描かれているからだ。
その部分に、深く共感できなかった原因があるのではないだろうか。

ところで、多作といわれる同氏の著書の中でも傑作として並び評されることの
多い『秘密』という作品があるが、そういえばこちらも私にはピンとこなかった。

とするとやはり、これは単に私の好みの問題でもあるのだろう。
個人的には本書や『秘密』より、『放課後』『眠りの森』のような作品に惹かれる。

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