『チャイナタウン』
アメリカ生まれのチャイニーズながら、興奮すると文法が怪しくなる
主人公のリディア。だが、それを差し引いてみても訳が若干物足りなかった。
読みはじめでは言い回しにそっけなさを感じたり、硬く感じる部分もあった。
しかしそれもわずかであったことと、登場人物たちの豊かな個性とで、
読むにしたがってほとんど気にならなくなったといえる。
ある部分、事件の展開や真相にハラハラするというよりも、
舞台や登場人物の設定の新鮮さ、好感度で読まされた感がなくもない。
地元チャイナタウンで家族から反対されつつ、私立探偵を続けるリディアは、
小柄で華奢で、時として12歳くらいに見えてしまう28歳の黒髪の女性。
一方、時としてパートナーを組むビルは長身、いかつい顔立ちの白人男性。
しかし性格的には外見と正反対。強気で猪突猛進タイプなのはリディア、
いつも穏やかに、紳士的な態度で彼女の手足となって働くビル。
(もっとも2人は暫定的なコンビで、依頼された事件によって助手の立場がかわるよう)
マフィアが絡んだり殺人が起きたり、小柄なリディアが格闘までしてしまうという、
ストーリー的には充分にハードボイルドといえる内容だと思うが、
いつも2人の会話ややりとりの場面になるとほっとして和んでしまう。
舞台のチャイナタウンにしても、映画などで度々登場する舞台ではあるが、
そこを軸に展開する物語が目新しかった上に、中国の独特なしきたりや文化が、
同じ東洋人の立場からは理解しやすい面もあるかもしれない。
今後も引き続きシリーズを読んでみようと思う。
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