『放課後』
舞台が女子高というだけで、主人公は何事にも冷めた視線を注ぎ、
良く言えば冷静、悪く言えば事なかれ主義の男性教師。
登場する生徒たちは一癖もふた癖あり、かつ大人びた部分と
高校生らしさを共棲させている様が絶妙に描かれて、
そう、『押し付けがましさ』がないというのが一番だろうか。
またいつもの東野作品どおり、タイトルの付け方、
文中でのその生かし方も鮮やかというほかない。
さらには刑事もほとんどフルに登場する推理小説でありながら、
最後の最後まで、事件はひとつとして解決しない。
とはいえ謎解きとしての幕は綺麗に引かれているから、
謎が残ったままということではない。
読後に残るのは、張り詰めた透明感、とでもいうところか。
この物語の本当の部分は、最後のページから始まるのかもしれない。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30452/1515790
この記事へのトラックバック一覧です: 『放課後』:




コメント